”心地よい暮らし”を奈の町は「快適空間セラピー」と名づけました。
気持ちの上でも身体的にも快適で心地よい空間です。
それは「何かモノがあるから心地よい」というものではなく、
「そこに居るとなぜか落ち着く。」というものではないでしょうか。
実は、その舞台裏にはいろんな工夫がされているものです。
その工夫を大きく6つに分けてみました。
では、快適空間作りに必要な6つの条件とはどんなものかと言いますと・・・
住まい手の個性や生活から ”創る住宅”というのは始まります。
住宅における性能も重要ですが、まずここからです。
それぞれ家族の生活は必ず違っています。
朝起きて夜る寝るまで・・・ ”その家族にとっての普通の生活”があります。
家族ごとに違う生活があることを知る身近な例は、夫婦にもありました。
違う環境で育った男女が最初一緒に暮らす時、戸惑いがありましたよね。 生活が違えばモノへの価値観も違ってきます。
快適空間の始まりは、まず【住まい手の暮らし】というソフト面から考えます。
ここを無視して家の性能ばかりに気を取られても心地よい暮らしにはなりません。
その土地の持つ魅力を最大に生かし、人間にとって心地よいと感じる空間と、個性ある家族の生活を考慮して
家という一つのカタチが出来上がっていくものです。
1995年の阪神大震災の時、倒壊せず自立していた家と瓦礫と化した家の明暗が分かれました。
住むべき家を失った人と倒壊しないで建っている家を見て感慨無量な気持ちになりました。
きっとどちらの住まい手も、地震に対する意識が大きく違っていたわけではないと思います。
例えば金融公庫仕様で建てたとか、建築業者に地震に対する意識があって金物をしっかり取り付けていたとか・・・
そんな部分の差異だったのだろうと思うのです。でも結果は大きく異なりました・・・
(もちろん、新耐震(1981年)以前に建築されたものは既に耐震基準をクリアしていません。
ましてや違反建築などは問題外ですし、これらは新しいかどうかの問題ではありません。)
私はこれまで長い間設計を行ってきた経験を元に、 現在の法令による簡易な木造構造チェックに頼らない、柱梁一本一本まで計算を行う許容応力度計算を行っています。 想定する等級によっても異なりますが、耐震性を上げることは、確かにコストアップに繋がります。 しかし、外観では見えない場所にどれだけ予算を掛けたかどうかが、安全かどうかの分かれ目になるのです。
高気密高断熱。
これについてはたくさんの本が出回っているので勉強されている方は詳しいと思いますが、間違った解釈をされている方も多いのではないでしょうか。
高気密高断熱だからといって1年中窓を閉めきって自然の風を通さないということではありません。
[4.自然エネルギー]でもご説明致しますが、自然の光や通風も計画し、その上で夏の冷房効果・冬の暖房効果を上げるということです。
断熱・気密性能が良ければその分、冷暖房の効率アップが見込まれるので省エネルギーになり、家計にも優しくなります。
「断熱」の効果とは、暖房で発生した暖気を逃がさないことや、夏の日射熱をよりよく遮ることです。 そのためには、より断熱性の高い断熱材を使うほど効果が上がります。
また、断熱材の取り付け方にも注意が必要です。建物の気密性に関わってくるからです。
「気密」というのは家の隙間をふさぐということです。
床下から上がってくる冷気を塞ぐように敷き込む必要があります。古民家などのリフォームでより効果があります。
夏の冷気・冬の暖気を外気へ逃がさない、また逆に外気が室内に入ってこないようにすると、冷暖房の効率がグッと良くなります。
最近は、施工を丁寧に行えば、昔の家とは比較にならないほど気密の精度が高いのです。
また、新築の場合は、奈の町ではセルロースファイバー充填工法を用いるため、気密性が特に高くなっています。
高気密・高断熱、そして換気も含めて、自然エネルギーの取り入れ計画、冷暖房計画、間取り計画を全体的に行う必要があります。
貴方の我が家はどうすれば良いか?住まい手の暮らし方、生活のこだわりで高気密高断熱のレベルも違ってきます。建築家と一緒に考えていきましょう。
外の寒い日、窓際に座ると陽だまりの暖かさにうとうとすることがあります。陽だまり部分の床が暖かくて気持ちよかったのを覚えていますか?
自然エネルギーについて考えるとき、太陽光エネルギーを外して考えることはできません。
太陽の光は室内に明るさと暖かさをもたらしてくれるだけでなく、温水熱や太陽光発電などのように、熱や電気のエネルギーにも変わります。
省エネルギーを考える上で貴重な資源です。
もちろん、ただ屋内に太陽光が入るというのではダメで、日射をコントロールする必要があります。
特に、強い西日や夏の直射日光の遮蔽をどのように計画するかが大切だと言えるでしょう。
また、通風計画も大切です。ただ風の入口と出口を確保するだけでなく、 開口部の大きさを工夫する、設置する窓に高低差をつける、地域の風の向きを考慮するなど、風の道を考える計画が必要です。
“本物”の良さ、それは年月と共に風合いが増すことです。時が経つにつれ、愛着ある我が家となります。
子供たちが小さい頃に付けた傷、色が変化してきたムク材、土壁、それも愛しく感じられるのではないでしょうか。
今だけ綺麗というのではなく、古くなってこそ味が出てくるのが自然素材の良さ。もちろん、人や地球環境にも優しくあって欲しい。
私は特に“木”にこだわりを強く持っています。設計に際し、住まい手が手に触れる木部は、ムクの素材を選ぶようにしています。
使用する木としては、ヒノキや杉(国産材)が一番多く、他にシオジ・タモ系、また風合いを求めてケヤキ、ブナ、シナ、桜を使用したり、
コンセプトカラーにあわせて、あるいはアクセントにカリンやチーク、ブビンガ、ウォルナットなどを使います。
人の顔がそれぞれ違うように、木もそれぞれ違いがあります。「ここの部分はどの木を持ってこようか」と考えるだけでワクワクしてしまいます。
住まい手さんのお宅にお邪魔して、これらの木達に再会すると、しっかり住まい手と共に時を歩んできた顔になっています。
山や森で自然に触れ合った時、不思議と人の気持ちは癒されます。同じように、日常の我が家も癒される空間であって欲しい・・・それが私の想いです。
家を設計する際には、電気やガスなどの熱源は何にするか?大きな空間を設計する場合の暖房はどうするか?について考える必要があります。
このとき、高気密であればあるほど、屋内に排気を出さない機器を選ぶ必要があります。
空気を汚さない代表的な暖房機には、
イニシャルコスト(設置するのに必要な費用)、ランニングコスト(毎月ごとに掛かる維持費)、そして自分達の予算とこだわりによって、 採用する機器を決めてゆきます。
ただ、何でも組み合わせが可能という訳ではありません。
例えば、床材を無垢のヒノキにする場合は、床暖房はお勧めできません。
また、高気密高断熱住宅でなければ、蓄熱暖房はお勧めできません。
使用する材料、建物に要求する性能によって状況が異なるので、総合的な判断が必要になってきます。
また、住まいでの消費エネルギーは、暖房・冷房・換気・給湯・照明・家電・調理に分けられますが、
このなかで大きな部分を占めるものを挙げてみると、給湯(29.4%)に始まり家電(28.5%)、暖房(15.4%)、照明(12.9%)の順になっています。
しかもこの4つで全エネルギーの86%を占めています。この4つの節約を心掛けることが、省エネに貢献する近道ということです。
※標準的な住宅の消費エネルギーを示す。
特に給湯器の効率をよくすることは、消費エネルギーの低減に有効だといえます。
つまり、電気を例に取るとエコキュートが省エネに効果的ですし、ガスならばエコジョーズがこれに当たります。
住まいの設計では、これら住まい手の暮らし、耐震構造、高気密高断熱、自然エネルギー、自然素材、省エネ設備の 6つの条件をバランスよく考え、住まい手独自の快適な空間を創ります。
