地面を掘ってみるとガラがいっぱい出てきた!
土地の購入でこんな事がありました
奈の町事務所のある土地ですが、建築着工時に実際こういった
事がありました。
その時の話をしてみたいと思います。
2014年に土地の契約をしたのですが、売買契約時、売主さんは地下埋設物に
関してはその存在を知らないとの話でした。
当時この敷地は、売主さんが使っていた倉庫と鉄骨のクレーン、
そして畑として使われていました。
契約時売主さんは、ここに将来息子さんの家を建てようと思って
いたとのお話しだったので、本当に知らなかったのでしょう。
もしかしたら埋設物はその方の前の所有者の物かもしれません。
そのまま土地の売買契約は終わりました。
で、
設計が終わり、工事契約を済ませ、地鎮祭も無事終えました。
地面を掘ってみるとガラがいっぱい出てきた!
まもなく地盤改良の重機が動き出したところ、
1本目からクローラーのヘッドが沈まないで周りをかき混ぜるだけで
ベッド部がグラグラと安定しないのです。
地盤改良会社の担当者に聞きますと、どうも地面の下に何か
ありそうだと。
早速、ユンボで掘り出してみると、ブロックの破片が下からどんどん出て
来るのです・・・
これでは改良杭が施工できないので、現場は一旦ストップ。
工事はユンボで地面の下にあるガラの撤去作業へと移りました。
でてくる、でてくる・・・。
ブロックの破片が地面下1Mくらいまで大量に出てきます。
よく見ると、ブロック塀の解体したものの様です。
計画建物の範囲にあるガラは、全部でトラック2.3台分ありました
でしょうか。
撤去した後は地面が少し低くなっていたのが印象的でした。
結局、その日は撤去のみで終わり、翌日から再び改良杭の施工となりました。
こういった事が実際にあるのですよねえ。
奈の町の住まい手さんのケースでは、思い出すのは1件だけかな。
私が思い出す実際の経験をお話しします。
あれは奈良市の現場でした。
解体を終え、基礎の掘削時に現場監督さんから緊急の電話がありました。
「現地から大きな石が出てきたのですが・・・」
急いで現地へ向かいました。
現地では1m以上ある石や少し小さめの石などがゴロゴロ出ています。
(勿論、文化財と言ったものでは全くありません。造成時でしょう」
まあ、それを知らずに何十年も暮らしていたわけですね。
掘ってみて初めて知ったことなのですね。
現場は建て替え工事でしたので、地下埋設物の処分費は工事契約書
に明記ある通り、住まい手さんが負担されれる事となります。
ガラなどの埋設物は、埋め戻しの際に放り込んだものでしょう。
この件にしても、うちの事務所にしても。
擁壁を造り、地上げをする際にごみを埋めてしまう。
以前は結構あるのではないでしょうか。
整地してしまうと分かりませんからね。
土地を購入する際は、こういうケースもあるものだと知っておいて下さい。
地下埋設物について
ところで、土地を購入してから地下埋設物が出てきた場合は売主さんの
責任は無いのでしょうか?
はい、あります。
この様な地下埋設物を、【土地の瑕疵】と言います。
民法や宅地建物取引業法ではこの土地の瑕疵について、担保責任
を決めています。
ではその土地の瑕疵担保責任について少し説明をさせて頂きます。
土地の瑕疵担保責任とは
法律的瑕疵(法令上の建築制限や権利関係等に違反しているもの)
物理的瑕疵(軟弱地盤や土壌汚染、地下埋設物等)
環境心理的瑕疵(近隣の嫌悪施設や事故物件等) を言います。
今回の話でもある物理的瑕疵の実例としては
1.土地の境界についての越境等
2.過去の浸水等の被害や状況について
3.地盤沈下や軟弱地盤による地質の状況
4.擁壁の不良
5.地中埋設物(他人の生活引き込み管、以前建物の基礎や瓦礫)
6.土壌汚染等
この5番目の地中埋設物が今回お話ししています土地の瑕疵にあたります
土地の売買契約における瑕疵担保責任の期間は、売主が宅建業者の場合、
物件の引き渡しから2年以上とする特約以外、瑕疵を知った時から1年以内
とする民法より不利な特約は無効なので、大抵は引き渡しから2年が多く
使われます。
しかし、売主が一般消費者の場合、この瑕疵担保責任の期間は、民法上
当事者の合意によって変更が可能なのです。
瑕疵担保責任を負わないという特約も有効だし、3~6ヶ月前後で区切る
こともできます。(うちは3か月だったんですけと)
3か月って・・・、住まいを計画しているうちに過ぎてしまいますよね。
良心的な仲介業者は少なくとも6か月は明記してほしいと思います。
貴方が土地を購入して住まいを建てる場合、土地の瑕疵担保責任という
文面が重要事項説明に記載されていましたら、この事ですョ。
まとめ
○擁壁などで埋め戻しのある土地は、地下埋設物(ガラ等)がある場合がある。
○地下に埋められているガラ等は、物理的瑕疵と言う。
○物理的瑕疵は、売主の瑕疵担保責任で保証する期間が決められている。
期間が過ぎれば売主に瑕疵担保責任を求めることは出来ない。
○貴方が土地を購入する場合、瑕疵担保責任の期間は、可能である限り
長い方が良い(出来ない場合もある)。
浅野勝義/奈の町