サブタイトル　《高畑町の家》

奈良市　2013年12月完成

 

こんな家が欲しい

●奈良町という場所柄、周辺環境に溶け込む外観
●しっとり落ち着いた空間で暮らしたい
●趣味に没頭、もしくは空っぽに出来る場として
●光と風を取り入れた設計
●趣味で集めた画や書をすっきりと展示したい
●現在のリビングが暗いので、開放感のある開口部と陽の明るさを感じたい
●自然に集まりやすいリビングで家族を感じる暮らし

設計コンセプト

高畑町は奈良町に接する特別な環境の場所で、奈良で最も人気の
地域です。
西側の隣地は境界いっぱいまで建っており、景色を望める場所を
探していますと、高い所ですが写真奥右手の空間が目に留まりました。　ここからの景色は春日山の方を望む場所で、この場所に
ゆっくりと流れる時間と趣味に没頭できる、もしくは空っぽに
なれる特別な部屋をつくりたいと思いました。

現地は、奈良の地酒の蔵元、春鹿さんの通りでご近所ですので
前の道路を通られる方に目を留めて頂いているようです。

アプローチを抜け、ポーチ前には格子戸があります。
このの格子戸を開けると、玄関が見えます。
玄関どあの鉄の引手は住まい手さん持ち込み品を取り付けました。
ポストはデザインして工務店さんの制作です。

こちらの住まいは道路からオープンになっていますので、
この格子戸が門戸代わりになっているのですね。

南向きですので深い庇です。
天井も低く作っています。

ところで、庇には樋がありません。
雨の落ちる様子を見るのも良いかなと言う事で。

正面の建具は木製で一枚の引き込み建具です。
うちの事務所と同じもので、室内からはガラスしか見えない
デザインになっています。

雨水を受けるための側溝です。
瓦と石はは住まい手さん持ち込みです。

玄関前には、”通り”があります。

では玄関に入ります。

玄関床は、ポーチと同じ土間仕上げで、一二三石を散しいています。
奥の扉を抜けると中庭へ出る通り土間にもなっています。

リビング

ここはLDになっていて、ダイニングはL型のベンチを
制作しました。

この空間は中庭へ延びる視線と、上部吹き抜けへと抜ける
視線がある事で、大変広々感を感じることが出来ます。
隣地建物が境界いっぱいに建っているにも関わらず、暗さや
閉塞感とは全く無縁の空間です。

夜は・・・

隣りにあります和室です。
始めに見せて頂きました絵画を掛ける部屋としてつくりました。

さて、ダイニングに戻ります。

キッチンをご紹介します。

カウンター越しのオープンキッチンです。
キッチン・食器収納等全て制作。シンクの天板は木製(チーク)、
3連IHキッチンです。
吹き抜けの上部は、洋室へつながる廊下と繋がっています。
この廊下からの視線は・・・

境界いっぱいまで建っていた隣家の屋根が、美しい景色に変わり
ました。
ここから降り込んで来る陽の光は本当に明るいです。
また、夜は星や月も映ります。
室内から空を見上げるのも良いものですヨ。

この廊下の後ろは、洗濯物干し場としてのバルコニーに
なっています。

さて、キッチンの裏側には洗面スペースとパントリー、
洗濯場、そして書斎が一つになっています。

一番奥には書斎があります。

さて、2階に上がります。

二階の寝室横にあるクローゼットです。

着物を収納するために引き出しを制作しています。

そして、この住まいの一番の特徴と言えるラウンジに
行ってみたいと思います。

2階床から数段上がったところ(見晴らしの為)にある扉を開けると・・

特別の空間が待ち受けています。

障子を開けると、

外への景色が一気に広がります。

現在は障子を開け、ガラス窓の状態ですが、このガラス戸も
すべて全開することが可能です。

窓を開けて風を感じるのも、夜はリクライニングソファに座って
読書をしながら外を見ても、お酒など飲みながら時間を愉しんで
ほしいと思います。

ラウンジは趣味の部屋ですね。

浅野勝義／奈の町