親世帯と子世帯の住み替え提案

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今回のテーマは、
親と子の住み替えについてです。

以前、こんな事例がありました。住まい手のご両親は現在の住まいの他に実家も所有していました。唯一の娘さんが結婚し、賃貸暮らしから新しい住まいを建てようと考えていました。若いご夫婦は予算が限られていたため、ご両親の近くの分譲地を探し始めました。

しかし、将来的に娘さんはご両親の住まいと実家の両方を相続することになります。そこで、私は新しい土地を購入する代わりに、ご両親と若い夫婦に「親と子の住み替え」を提案しました。

その方法は、ご両親が実家へ転居し、娘さん夫婦がご両親の住まいをリフォームして住むというものです。
後ろから押し出したところてんの様なもの。
リフォームは新築ほどの費用はかからず、ローンも少なくなります。このように無駄な不動産を購入せず、土地を有効に活用できるのです。

提案後の家族会議で、皆さんはこのアイデアに賛同されました。
住まい手さんには、「提案されなかったら、自分たちでは思いもつかなかったわ」と仰っていました。

もちろん、この方法が成功するにはいくつかの条件を満たさなければなりません。例えば、それぞれの思いや交通の利便性、住宅の状態などです。しかし、土地探しを始める前に一度ご両親と話し合ってみるのは良いアイデアです。

この話は、現在社会問題となっている空き家問題にも有効だと思います。
毎年、空き家は増え続けています。空き家ができるのは、所有者にとって必要なくなったからですが、手放すことができない理由もあります。例えば、住まいから遠かったり、思い入れがあったり、交通の便が悪かったりします。

例えば、住まい手が定年し交通の利便性を必要としなくなった時、この空き家を再び利用する選択もあるでしょう。また、相続する子世帯が一人っ子同士の結婚でどちらの両親の家も余るケースも増えています。その場合でも、新築や建て替えの費用は少なくて済むことが多いです。

親世帯の住まいは子育てに適した環境であり、立地も良いことが多いです。親世帯がその場所を子世帯に譲り、新しい子育てを応援することで、両世帯がゆったりとした暮らしを実現できるのではないでしょうか。

土地を探す前に、ご両親や祖父母の敷地をもう一度見直し、住み替えができないか考えてみることをお勧めします。

浅野勝義／奈の町