2018年10月
三郷町の開発造成地に建つ家で、敷地が道路から2M上がった場所に
シンプルな家を設計しました。
設計コンセプト
住まい手さんとの家づくりは、土地探しから始まります。
Yさんご夫婦と初めてお会いしたのは、昨年(2017)年の6月、
二人の小さなお子さんを連れて事務所に来られました。
仲の良いご夫婦の土地探しが始まった日でもありました。
そして終の棲家として決めたのが三郷町の宅地開発されたこの分譲地でした。
この敷地は隣地との高低差が大きいために、高低差のあるコンクリート
擁壁で敷地と道路に段差があります。
その道路との差は、なんと最大2.5M。(進入路部分は2M)
設計の一番最初の課題は、この敷地との高低差をどうするかでした。
道路との接道部分は駐車場部分としてのスペースが一部あるだけで、
ここから一段高くなった建物の地盤となる平地部分まで2Mあります。
毎日玄関まで昇り降りすることを考えれば、この差は出来るだけ少ない方が
良いと考えて、上部にある地盤を50cm削り取って高低差を詰める方法を
採りました。
しかし簡単に削ればいいと言う訳でもありません。 削り取る手間もさる
ことながら、この削り取った土の処分代も悩みの種でした。
ある意味、予算との戦いでもある訳です。
計画の骨子は、駐車場スペースが建物の進入口であり、ここから
自然に玄関までたどり着くアプローチを造る計画です。
住いとなる建物は、シンプルでコンパクト。ですが個性があって、とっても
使いやすい住まいを計画しました。
玄関までの階段
玄関ポーチ
板張り(杉板)の突出部分のカラーは、住まい手さんご自身で塗装されました。
玄関の中
左手の扉は下駄箱収納になっていて、
一部はコート掛け、傘収納です。
リビングへはホールにある通路を抜けます。
通路を抜けると、上部へ広がる大空間のリビングが広がります。
東南角に計画しましたダイニングスペース。
テーブルとベンチは制作しました。
ベンチは奥行きを少し深く取りましたので、ごろりと寝転ぶことも。
朝日が燦燦と入る明るいダイニングで、家族と朝食を採ってほしいですね。
障子は引き込みができます。
左手のカウンター越しにキッチンがありますので、手渡しでテーブル
セッティングが出来るようになっています。
ダイニング横のティーカウンター。
外を見ながらお茶を飲んだり、読書をしたり。
一人になれるスぺースになると良いですね。
リビング奥の和室コーナーです。
ここから外のデッキ(縁側)へ出ることが出来ます。
広い庭への出入りはここからです。
2階への階段はオープン階段にしました。
リビング側に手すりが無いのは、この階段部分もリビングの一部と
して使ってもらいたいから。
テレビや映画をここから見たり、2階への廊下として使ってほしい。
2階ホール
2階ホールには家族全員が使える大きなクローゼットを設置しました。
クローゼットの前には、カーテンを吊ってホコリよけと目隠しに使います。
子供室から出た廊下とロフトへの階段
この手すりから見る窓越しの景色もとっても良いのですよ。
正面の四角い窓、気になりますよね。
ここから見ると、どんな風に見えるのか。
見てみましょう。
覗いてみます。
如何でしょうか。
下の階との繋がりも分かるかも。
最後にバルコニーをご紹介します。
一般のバルコニーと違うのは、屋根がある事ですね。
理由は二つ。
雨が降っても洗濯物が濡れない事。
南向きの床の劣化が防ぐことが出来る事。
二つ目の床の劣化ですが、露天のデッキやパルコーは直射日光や雨などを
直接受けるためにFR防水と言えど長期での劣化は免れる事が出来ません。
ですので私は屋根を掛けるか、露出する場合はFRP防水の上に新たに
デッキ床を設置することにしています。
ご紹介長くなってしまいましたので、この続きや工事経過などを
ブログで紹介いたします。
宜しければどうぞ。
浅野勝義/奈の町
2018.10
Brog 建築家 浅野勝義の「さあ、住いの話をしましょうか」
道路上高台に建つシンプル・ナチュラルな家