
【ホームシアター初心者向け】狭い部屋でもOK!100インチ大画面&立体音響を実現。スピーカー・アンプの基礎とプロジェクター選びのポイント解説
「この広さじゃ無理だろう」と思っていた空間が、ちょっとした工夫と想像力で、音と映像に包まれる特別な空間に変わっていく。
そんな暮らしの豊かさを、私自身の実例を通してお伝えできたら嬉しいです。
超初心者にも、自分のホームシアター像が見えてくるよう、アンプやスピーカーの種類など、基本からわかりやすく解説します。
「スピーカー・アンプの基礎」について、3つのステップ
① オーディオアンプとステレオについて
音楽や映像の“音の質”を決めるステレオの基本から。
プリメインアンプやアクティブスピーカーなど、初心者でも始めやすいシステムの仕組みを解説します。
② 擬似的なサラウンドとサウンドバーについて
省スペースで手軽に臨場感を味わえる方法として人気の「サウンドバー」その仕組みや特徴、メリット・デメリットをわかりやすく説明します。
③ 本格的なサラウンドと立体音響について
最後に、5.1chやDolby Atmosなどの本格的な立体音響について、AVアンプを中心に複数のスピーカーを使った空間設計の考え方を紹介します。
▪️ オーディオアンプとステレオについて

「音が出る」ためにはアンプが必要ですが、実はスピーカーの種類によって違ってきます。
スピーカーの種類は2つ
・パッシブスピーカー / アンプを内蔵しておらず、外部アンプが必要。自由な音作りができる。
・アクティブスピーカー / アンプ内蔵。パソコンやスマホとつなぐだけで音が出る。手軽に高音質が楽しめる。
どちらを選ぶかは、「どんな音で」「どこで」楽しみたいかで決まります。
ステレオとは?“音の広がり”の基本
スマホやテレビの内蔵スピーカーでは、音が“そこだけ”に感じられませんか?
でも、左右にスピーカーを置いて音を出すだけで、空間に音が広がるように感じられます。
これが「ステレオ(2chオーディオ)」の原理です。
ステレオは、右と左のスピーカーから少しずつ違う音を出すことで、立体感や奥行きのある音響空間を生み出します。
音の“質”だけでなく、“広がり方”にも大きな違いが出るのがポイントです。
アンプと音の流れ
音楽や映画の音は「音源機器」からスタートし、「アンプ」で音を整えて、「スピーカー」で響かせます。
アンプには以下のような役割があります。
・プリアンプ / 音源を切り替え、音量や音質を調整する。
・パワーアンプ / 小さな信号を大きくして、スピーカーをしっかり鳴らす。
この二つが1つのユニットに入ったものを、プリメインアンプと言います。
一般的にこのプリメインアンプをアンプと呼ぶことが多いです。
このしくみを知っておくだけで、音が出ないときに原因を探しやすくなるなど、実用面でも役立ちます。
アクティブスピーカーはアンプ内蔵なので、次のような方にぴったりです。
✔︎ 配線が苦手
✔︎ 機械に詳しくない
✔︎ 初めてスピーカーを使ってみたい
✔︎ 「少し良い音」で映画や音楽を楽しみたい
Bluetoothやワイヤレス接続に対応した小型スピーカーも、ほとんどがこのアクティブタイプです。
ただし、本格派を目指すなら?
本格的なホームシアターに進みたいなら、[パッシブスピーカー]+[AVアンプ]の構成が断然おすすめです。
▶︎パッシブシステムのメリット
アンプを自由に選べる・買い替えられる。(好きなメーカーや機種を選べることができる)
スピーカーの数を増やしてシステムを拡張できる。
各パーツを自分好みに組み合わせられる。
つまり、パッシブシステムは「音を育てていく楽しさ」があるのです。
▪️ サウンドバーという選択肢

「スピーカーをたくさん置きたくない」という方におすすめなのが、サウンドバーです。
モニターの前に1本置くだけで、音に広がりをもたらしてくれます。また、サブウーハーがついているものもあります。
内蔵スピーカーによるバーチャルサラウンド
機種によってはDolby Atmos対応で“天井から音が降る”ような感覚も設置が簡単、省スペースで見た目もすっきり。
本格サラウンドとは違いますが、「ステップアップの入口」としては最適です。
昨今は次々と新型が発売されていて、”擬似的なサラウンドを超えてくる商品”も出てきました。
サウンドバーは、独自でアンプを持つアクティブスピーカーで、テレビ等にHDMIケーブルで繋ぎます。
▪️ 本格的なホームシアターとは?

ステレオで音楽を楽しみ、サウンドバーでなんとなく“音に包まれる感覚”を味わったその先に、もうひとつの大きな世界が待っています。
それが──本格的なサラウンドシステムの世界です。
そこには、ただ音が聞こえるだけじゃない、「音に包まれる体験」が待っています。
映画館のような臨場感はどう作られているのか?
サラウンド、特に5.1chシステムでは、前後左右のスピーカーとサブウーファーの組み合わせで、音がぐるっと取り囲むように再生します。
フロントL/R:主に音楽や効果音など、映像に合った臨場感を支える。
センター:セリフなど、映像の中央に定位する音を担当。
サラウンドL/R:背後からの環境音や動きのある効果音で空間の深みを演出。
サブウーファー(.1ch):100Hz前後より下の重低音で迫力を生み出す。
私自身、この5.1chを使ったサラウンドに十分満足していました。
セリフと効果音の分離も見事で、「これがあればもう十分」と思えるクオリティです。
上から降る音──Dolby Atmosの衝撃
ただ、ある時ふと、「上からの音って、どんな感じなんだろう?」と思ったんです。
そんな好奇心から、思い切ってフロントハイトスピーカーを追加し、Dolby Atmos対応の5.1.2ch構成にアップグレードしてみました。
すると、世界が変わりました。
戦闘機やヘリコプターの爆音が頭上を通過するシーンでは、思わず体を縮めてしまいそうになったし、それ以上に驚いたのは、電車内のアナウンスのような何気ない音が、ちゃんと上から降ってくること。
「このアナウンス、天井スピーカーから流れてる!」と気づいた瞬間、まさに空間そのものが映画の中に変わったような気持ちになりました。
大げさではなく、「音が立体的に存在する」ということが体感として理解できたのです。
少しずつ組み上げていく楽しさ
もちろん、いきなり7本ものスピーカーを並べるのはハードルが高いかもしれません。
私も最初は4chから、センタースピーカー、サブウーハーを加えて5.1chへ、さらにフロントハイトを追加して5.1.2chに進化させてきました。
でも、段階を追って構築していくことで、ひとつひとつの変化に気づける喜びがあるのです。
それは、“ただ音が増える”というより、音に奥行きが生まれ、空間が広がっていく感覚。
スピーカーが増えるって、どういうこと?
「でもスピーカーをそんなに置くのはちょっと…」確かにそう感じる方も多いと思います。
実際、5.1.2ch(Dolby Atmos対応)のシステムともなれば、7本のスピーカーと1台のサブウーファーが必要になります。
私の場合、最初は古いスピーカー4本から始めて、センタースピーカーとウーファーを追加して5.1chに。
さらに、天井近くにハイトスピーカーを加えて5.1.2ch構成へ。段階を追って構築していきました。
ひとつひとつ組み上げていくプロセスが、ホームシアターのいちばんの醍醐味です。
●AVアンプとは?
プリメインアンプとは音の再生専用。音楽鑑賞向け。
AVアンプとは音声だけでなく、映像の切り替えや出力にも対応。ホームシアターの心臓部であり、映画はAVアンプが不可欠です。
AVアンプは映像だけでなく、音を数多くのスピーカーにつなぎ、多数のスピーカーをコントロールし、臨場感あふれる空間を作り出します。
【まとめ】
まずは気軽に始めたい方には
▶︎アクティブスピーカー や サウンドバー
手軽で設置も簡単、音の入口にぴったりです。
映画の音にこだわりたい・ステップアップしたい方には
▶︎ パッシブスピーカー + AVアンプ
音質や構成を自分好みに仕上げられる“本格派”の道です。
自分のスタイルやスペースに合わせて、無理のないところから始めるのが一番。
自分らしい音の時間を育てていきましょう。
【実例】4.5畳のシアタールーム
私自身が事務所に実際に取り組んだ、5.1.2ch/Dolby Atmos対応のホームシアター空間です。
奥行きわずか2.3mという限られたスペースだからこそ、スピーカーの配置や遮音、機器の選び方、追加スピーカーの工夫など、細かな点まで工夫を重ねました。
「小さな空間でも、音を意識すればここまでできる」そんな一例として、参考にしていただければ嬉しいです

シアタールームのスペースは、2.53m × 2.73mという限られた空間の中に、すべてのシステムが収まっています。
システムの配置にあたっては、勾配天井となっている天井の高い壁側にスクリーンとスピーカー類を設置し、天井の低い側にソファを配置する構成としました。
このようなレイアウトに決めた最大の理由は、プロジェクターからスクリーンまでの距離(投影距離)を確保するためです。
ちょうど反対側の壁には窓があり、この窓枠部分にプロジェクターをうまく収めることで、有効な投影距離を稼ぐことができると考えました。想定していた有効寸法は2.3m。
この距離で100インチの投影が可能な機種であることが、プロジェクター選定の大前提でした。
✔︎プロジェクター選びの重要ポイント
小さな空間の場合、この投影距離がとても重要です。
これからプロジェクターの購入をお考えの方は、必ず事前に確認することをおすすめします。
こちらは、AVアンプの設置図です。

AVアンプは、スピーカーやテレビ、プロジェクターなど、ホームシアター機器の音と映像を一括で管理する“司令塔”のような装置です。音声を複数のスピーカーに振り分けて臨場感のある音にしたり、映像をプロジェクターに送ったりします。
AVアンプへの接続
AVアンプは、インターネットのWi-Fi機器と無線接続しています。
8台のスピーカーとプロジェクターは、有線でAVアンプに接続しています。
Apple TV 4KやFire TV Stickなどのストリーミングデバイスは、プロジェクターではなくAVアンプに接続しています。
✔︎ プロジェクター購入時の補足ポイント
このようにサラウンドシステムを組む場合、スピーカーやストリーミングデバイスはAVアンプに接続するため、プロジェクター本体に搭載されたスピーカーやアプリの性能は重視する必要はありません。私が購入したプロジェクターにもスピーカーやGoogle TV機能が搭載されていますが、実際には使用していません。
そのためプロジェクター選びでは、「設置距離と求めるインチ数に合っているか」「明るさや解像度は十分か」など、画質や設置条件を重視することが重要です。
あくまでプロジェクターは“映像を映す”役割に徹し、音や配信はAVアンプを通じて適切な機器に振り分けることで、音質を最大限に引き出すことができます。
個別のご相談承ります。当事務所のホームシアターをご体験いただくことも可能ですので、ぜひご予約ください。
▪️ホームシアター相談 ご案内(相談 & 視聴)
空間の条件や、実現したいオーディオシステムに応じて、建築士が音と映像の視点からあなただけのホームシアターをアドバイス。
理想のシアター空間を一緒に考えます。
ご希望の方には、当社のホームシアター(5.1.2ch/Dolby Atmos対応)をご視聴いただけます。
【完全予約制】
当日は、下記の資料をご用意ください。
- お部屋の図面や写真(現状の空間を把握するため)
- 現在ご使用中のオーディオ・映像機器の情報(メーカー名・品番など)
場所:株式会社 奈の町 事務所
完全予約制:1組(2人様まで)ごとの個別対応
費用:初回相談 27000円(税込)/120分
内容:ご自宅に合ったホームシアター計画のアドバイス
日時:土・日曜日 午前10:30より
※ ホームシアタールームの[設計・監理]をご希望の方へ
現在、ホームシアタールームに関しましてはご相談のみ承っており、設計・監理には対応しておりません。あらかじめご了承ください。

一級建築士事務所 奈の町
4.5畳で実現した、100インチ&5.1.2chのシアタールーム

