明日香檜前の家

2004年7月完成　S邸

 

こんな家が欲しい

〇周辺の風景に馴染みつつ、個性を持つ和風住宅。
〇無垢のフローリングで、はだしの生活がしたい。
〇庭で友人や家族とバーベキューをしたい。
〇夜間でも映画を見たり、音楽を聴いたりできる、AVルームがほしい。

 

敷地と設計コンセプト

この土地を手に入れられたのが2003年、昨日まで人が住んでいる
様子のままを購入した住まい手さん。
敷地の中には母屋の他に、倉庫で2階に蚕スペースのある建物も
ありました。

なんでもここは一人暮らしのお年寄りがおられて、その方が
倒れられて病院に。　回復されたのですが、子供さんが引き取られ
たのでこの土地を売却することになったという話。
確か130坪以上の敷地があったと記憶しています。

道路に面している間知石の高さは2M程あり、中央部が膨らんで
いました。　安全性から考えて最終的には積み直しを行いました。

建物は解体の後、すべて新築しています。

 

外観は完成後時間が経つほど美しくなっていると思います。
やはり塀代わりに植えたウバメガキが壁になっている塀と並ぶように
なったこともありますね。
完成当時は垣根がスカスカでしたから。

 

玄関へは前面道路から坂を上りきったところに駐車場と玄関への
アプローチがあります。

 

 

入口が左手の塀に囲まれた所です。
開いてはいますが、門があります。

 

右手のシャッターは整備も出来る車庫です。
志野車庫へは、家の中からも出入り可能です。

写真が切れていますが、右手は駐車場です。
3台くらいは十分入る広さがあります。

 

 

アプローチを進み、玄関の中へ入ります。

 

 

玄関は天井の高い、広々とした空間です。

中へ向かいましょう。

 

玄関から入ると、三角形の広い空間があり、右手に見える大きな
開口部からデッキに出ることが出来ます。

実はこのデッキ、北向きに設置されているのですが、この方向で
正解でした。
夏の暑い時でもとっても涼しくて、風が通り抜けてくれます。

 

デッキへの大開口。

その向こうには、 友人や家族でバーベキューを楽しめる、大きな庭が広がっています。
休日は家族でバーベキューなんか、好いのでしょうね。

当時、4枚引違で防犯複層ガラスはとっても高価でした。
1枚ガラスで10万位？　だったかな。
今はお安くて更に高性能。　確かにお得ですよね。

それにしてもここは気持ち良かったですよ。

 

 

この三角のリビング(と称している)の隣りは、茶の間になっています。

4枚引き込みの障子や壁組み込みのテレビスペースなど、家具の
作り付けはずっとやってきました。

当時はまだプラズマもなかったと思います。
奥行の深いブラウン管テレビでしたよね。
今は壁掛けの50インチが普及タイプですから時代も変わるものですね。

今から13年前、たった13年でこんなに時代が変わるのですね。

 

 

茶の間の上ですがね吹き抜けに何か窓が見えますね。

確か、広い収納庫をつくった記憶があります。
その続きで2階は個室が2室取りました。

 

 

同じような写真ですが、内容は大黒柱です。

この柱は工務店さんが当時お持ちのヒノキの尺角もので、
その長さは2階の棟近くまであります。

たしか7Mくらいだったと思います。
外観からも1本抜けているので分かると思います。

今から考えると贅沢な話ですよね。
ほぼ節無しのヒノキ尺角の柱、7Mと言えばとっても高くて
今では到底選べませんからね。

実はこの家のもう一つの特徴は、

そう、
シアタールームだったのです。

ここはかなりこだわりました。
相当大きな音を鳴らしてもご近所には聞こえないと思います。

住まい手さんは、
夜間でも映画を愉しみたいとの希望でしたから。

スピーカーの下は直接コンクリートになっており、ケーブル類は
床の溝を走っています。

壁は同じ方向を向いておらず、吸音と遮音を考えた部屋です。

設置するオーディオも私の使っているランクより数段上の機材を
使うようになっています。

この後、私は音楽室を手掛ける訳ですがこの時の知識も大きく
役立っていたと思います。

 

美しい景色に囲まれた、明日香檜前の家。
思い出深い住まいです。

 

2017年7月

浅野勝義／奈の町