創業30年 奈良の住宅設計事務所 建築家と心地よい住まい創り
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“こだわりの家”を住み継いで、快適に暮らす

 

"こだわりの家"を引継ぐ

住まいはその時代の住まい手によって改修し、継いでゆくもの

 

住まいはその時代の住まい手によって改修し、継いでゆくもの

設計の仕事をしていますと、建てられた際にとってもこだわって造られたと
思われる住まいの改修に関わる事があります。
それらの家は、築数十年から200年近く経っている住まいまであります。

私はそんな家を”想いある家”と呼ばせて頂いている訳ですが、その家は
建物に使われている素材もそうですが、そこかしこに建てられた方の想いが
詰め込まれているのを感じるからでもあります。

個性的な欄間、襖や家具の引き手、床の間、長押の釘隠や建具、箱階段などの
今では見ることのないお洒落なものもあります。

特に和室周りは宝の宝庫です。こだわった素材はだいたいここに集中しています。
床板に違い棚、書院の組子障子、床框、落とし掛け等、使えそうな素材が沢山
あるので解体が楽しみなのです。

2021年~2022年に改修しました実例がありますのでご紹介いたします。

 

床の間の地板を再利用して玄関ベンチへ

完成したベンチ。背もたれ板も床の間の違い棚を再利用しています

 

床の間の板を3枚使って大きなカウンターをつくります

 

2.8mx0.8mの1枚板の反りや曲げを補修して、再び床板として再生しています

 

既存の床板(ブビンガの1枚板)を再利用してオリジナルデスクをデザイン・制作しました。

 

以前の急で危ないストリップ階段を、緩勾配で安全な階段へ

 

縁側床板3枚を剥ぎ合わせて階段の回り階段部を制作しました

建物を造る大工の設え(しつらえ)にもこだわりを感じる事ができます。
長い時間が経っているにも関わらず、狂いの少ない仕事にも感動すらを覚えます。
使われている素材(木材)は、今では手に入らない貴重な無垢材が使われている
ことも特徴ですね。

私が改修の設計を相談されているにも関わらず、そんな部分ばかりが目について
しまう訳ですが、これを見るのがまた堪らなく好きなのです。

確かに現在の住宅性能から比較すると、土壁で外部の開口部は断熱性が低く、
板一枚の床板は寒さが厳しく、土をたくさん載せた重い日本瓦葺きの屋根は
耐震性に劣ります。

生活の考え方が古いものなので、水周りが遠かったり、日当たりの良くない
北側に暮らしの中心があったり、段差が多いのも当時普通の造りだったのです。
そういう間取りが普通であり、そもそもバリアフリーという概念がありません。

住まい手さんと話をしていると、
『家の内外での温度差は、ほとんど無いから(寒い)』
なんて笑って話される住まい手さん。
それでも住まい手さんはこの家が大好きなのです。

改修は、断熱性と気密性を向上させ、屋根の土を降ろすだけで、夏涼しく冬暖かい
住まいになります。
そして、全ての部屋がバリアフリーであるのは当然の事になります。
水周りも暖かい空間の中へ組み込まれます。
もちろん、耐震性も向上しているので安心して暮らすことが出来ます。

 

住まいはその時代の住まい手によって改修して改修し継いでゆくもの

改修前と改修後とは、全く外観が変わります。

 

想い入れがある良い家であっても、実際に住むには暮らし難い問題点がいくつか出てきます。

今の暮らしを望む住まい手さんには、建築した時代の住まいをそのまま引継ぐには暮らし難いです。
そして広い家であることから、改修にしても費用が大きくなってしまいます。
思い切って解体して、使いやすい家を建て替えた方が良い?

その悩まれる気持ち、よくわかります。

解体して建て替えを勧める方もいるかもしれません。
でも私はこの住まいの良い部分を残したまま、改修することをお勧めしたいです。
特にこの住まいに想い入れある方はリノベーションをお勧めします。

改修費用はある程度掛かると思います。
建物の規模が大きいことが一番の原因ではありますが、この建物を失うことの
方が損失が大きいと思います。

この住まいの思いの部分をしっかり引継ぎつつ、
暮らし易い住まいへとリノベーションすれば良いのです。
勿論、それは可能です。
技術的にもデザイン的にも実際にいくつも手がけてきました。

実際に行ったリノベーション例は、こちらにリンクあり

 

改修内容としては予算に合わせた部分改修であったり、減築・増築も考えられます。
可能であれば建物全体を改修するのがベストではあります。
きちんと改修すれば快適な住まいになる上、これから何十年も住まうことができます。

 

リノベーションすると暮らしがどうなるか

改修後の住まいですが、一番大きく変わる部分は、間取りの変更による暮らし易さです。
その為、住まい手さんの想いをしっかりと聴き取ります。
間取りが変わると窓から見える景色も変わるため、それを取り入れたプランニングも
考えられます。
特に私は暮らし易い動線計画と空間計画が得意です。

既存部分に使われた貴重な素材を活かしつつ再利用することも行います。
素材は形を変えて再び違う物へと生まれ変わる場合もありますし、
丁寧に造られた技術も可能な限り残しつつ補修も必要になります。
こういった仕事は、改修する施工会社の技術力にも影響するものです。

またプランニングは、本体フレームを生かしつつ計画し、構造の弱い部分を補強します。
耐震工事、断熱・気密改修も同時に行います。

 

間取りを変更し改修すると、住まい全体の使い勝手が良くなるだけでなく
家全体が明るなり、それに何よりも暮らし全体が快適になります。

また、冬場の暖房の効き方が大きく変わります。
今まで効かなかった暖房が効く様になります。
各場所での温度変化も少なくなるので身体も健康になります。
地震での倒壊不安も無くなりますので、安心して暮らす事ができます。

 

リノベ後の住まい手さんからお聞きしました

『以前であれば寒かったダイニングキッチンと茶の間から動けなかったのですが、
部屋を繋いで広くなったリビングであるにも拘らず、とっても暖かいです。
屋外に出てみてはじめて今日はとっても寒いんだという事を知りました。
2階も1階の暖かさが伝わり、一番奥の部屋であっても暖かいのには驚きました。
真冬なのに子供たちが広い家の中を走り回っています。
それに、この夏もエアコンが良く効いて家中が涼しかったですね。』

『広い家だったのですが、冬は寒くてこの茶の間と台所から出なかったですね。
新しくなってからは冬の寒さは全く恐くなくなりました。家の中を自由に動けるので
本当に快適です。』

 

住まいはその時代の住まい手によって改修して改修し継いでゆくもの

母屋を建築した際に大工達が寝起きする為に建てた建物を撤去することで母屋本来の良さを知る事になりました

 

こだわりを持って建てた先人の”想いある家”を住み継ぐ。
その住まいで今の自分たちが快適に暮らす。

もし貴方が、”想いある家”を引継いで、暮らし良い家へと改修をお考えでしたら、
一度ご相談ください。
快適な住まいへの改修についてのアドバイスをさせていただきます。

想いある良い家を長く残しつつ、今の時代に合わせた改修をして、次の世代へと住み継いで
ほしいと思います。

浅野勝義/奈の町

 

 

 

 

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