ガレージのある家2
橿原市 2012年1月完成
こんな家が好い
●友人を気軽に呼び、家で楽しみたい
●メンテナンスの出来る駐車場が欲しい
●求婚時にもらったバラ200本のドライフラワーを使って何か作ってほしい
●ご主人の個室がどこかにほしい
●壁塗りでも自分たちも体験したい
●奥さんは暖かい家で明るく健康的に暮らせる家
現地の様子と設計コンセプト
ご年齢が若いにも拘らず礼儀正しく爽やかなご主人が印象的。
奥さんへのエピソードとして求婚時に200本のバラを送られたとか。お宅へ
伺った際、瓶に入ったバラの花びらを見せて頂いて、このバラを飾っておく
場所が欲しいと伺いましたので、何か喜んで頂けるものを設計したい。
ご主人が年代物の車に乗ってられることもあって屋根付きでメンテナンスが
できるガレージが欲しいという強い要望もありました。
ご友人を招いてパーティなど出来る様にデッキに大きな屋根もつくりたい。
現地は、道路からの侵入口の間口が2.5M程で、そのまま奥へずっと伸びて
います。 その先に明るく広い土地が現れるいわゆる旗指物の土地です。
この通路の先が道路に接道しています。
業者さんも初めて来たときは、進入口をあっという間に通り過ぎてしまう
のが、困りもの。
奥の建物が遠いと分からないんですよね。
道路側侵入口から
向こうに見える草ぼうぼうの所が現地。
ちなみにこの長い通路も敷地内に含まれていますので、友人達が
遊びに来ても、この通路が駐車場になります。
敷地内西面。
敷地の西側には2階建ての倉庫風の建物が建っており、2階までの視線は
使えません。
東南面
ここの敷地は、東免と南面が一面に開けています。
入口は狭いのですが、敷地に入ればすごく明るいのです。
計画の基本は、西側を閉じて、南面と東面に開口部を取る計画になります。
**************
では、完成した建物をご紹介します。
道路からの進入口です。
玄関もこちらに面しており、屋根付きの駐車場もこちら面にあります。
シンプルで窓も少なくしました。
ただ、こちらが正面ですので少しばかりアクセントも付けています。
車庫廻り
バイクも屋根の下でメンテナンス可能です。
冬は何かシートで包むかして傍観してください。
左手面が東面になります。
遠くの道路から良く見えますのでここから写真を撮りました。
次は、東南方向から。
これも道路からの見立てです。
外観で分かりますよう、2階にバルコニーが見えますね。
1階から方杖の様に柱が出ていますが、これはデザインです。
計算上は必要ありません。
正面(東面)に庇と一緒のデッキがあります。
敷地は廻りより1段高くなっていますでしょ。
購入時からこうなっているんですよ。
まあ、見晴らしは宜しいですよね。
では、
住いの中へ。
玄関です。
大きな明かり窓がありますので、とっても明るいです。
下駄箱収納も、必要な足数を確保しています。
奥へ入ります。
視線隠しのために、縄のれんが掛けられていますね。
何があるのか興味湧きますものね。
ホールに入ったところで、壁にスリットが入っています。
これは?
そう、バラのドライフラワーを生かす飾りをデザインしました。
手前にアクリルの厚い板をいれ、上部に照明を仕込みました。
明かりがアクリルの中を通る事で下まで花びらを浮き上がる様に
試みました。
一つ、真っ赤なバラのアクセントが効いています。
これは奥さんが入れられたものです。
廊下には、手洗い台を設けました。
外から帰って来て手を洗うためのものです。
可愛いコーナーのアクセントになりました。
隣りはお手洗いです。
.
壁は、珪藻土をご夫婦が塗られました。
外部からの明かりは正面の足元から入る様に計画しています。
玉石を敷いていますので、ディスプレイができます。
廊下には壁面に大型収納をつくりました。
これだけあれば、収納に困らないと思うのです。
収納は扉の裏、左右にあります。
さあ、リビングに入りましょう!
ダイニングテーブルとがどんとありますね。
制作ベンチも見えます。
左手は、和室へと繋がります。
左に見えます和室は、
片引きの襖には、吉野の手すき和紙を張りました。
凄く印象的ですね。
入口方向です。
四角い照明が見えますね。
これは廊下にあったバラの飾りと一体になった照明器具です。
このカバーを取ると、電球の交換とバラの補充も出来ます。
次はダイニングです。
ベンチ、テーブルとも奈の町デザインの制作ものです。
側面からは、
そのベンチですが、収納にもなっています。
座布団や細々したものは、ベンチの下に仕舞ってください。
正面のスリットは飾り棚です。
ベンチに座ってちょうど視線のラインが明かりのスリットに
掛かる様に設計しています。
座った人は、このスリットから遠くへ視線が抜けます。
キッチン内部です。
設計中にこの水屋を購入されました。
家具やさんへ行った際、一目惚れで購入されたとか。
和の家具としてこれは良いポイントですね。
キッチン。
制作キッチンです。
天板はSUS、扉はタモとウォルナットの無垢で出来ています。
では、ここから2階へ上がりましょう。
2階ホールです。
ここは天井の高い大空間です。
そして、将来壁をつくれば2室の子供部屋にすることが可能です。
写真勝負にある板は、その時にロフトベッドになります。
窓に梯子が掛かっていますね。
このはしごを使うと・・・
ご主人の個室に上がることが出来るのです。
この部屋の窓からは、正面に緑が見える気持ち良い景色が
広がっています。
寝室
ここにベッドをお骨森で設計しました。
朝起きると、真正面に景色が抜けています。
清々しい朝の光で起きれるのが私の狙い。
当然、向こうからこちらを覗くことは出来ませんよ。
近くから見ます。
どうですか‼
遠くの山が室内にいて愉しむことが出来ます。
ここに小さなテーブルを置いて、ティーするのも良いと思いません?
そうそう、ここは下のリビング吹き抜けになっています。
階下にある蓄熱暖房機で、2階全体も暖めます。
冬の寒い日、暖かい寝室で目覚める気持ちよさを味わってください。
外が雪化粧の時、最高だと思いますよ。
最後です。
ここからバルコニーに出て、洗濯物干し場としてバルコニーに出ます。
太陽が燦燦と降り注ぎ、乾いてくれるのは勿論、雨が降っても濡れない
庇もあります。
冬は室内干しをして頂ければ、とっても早く乾くことを知って頂ける事
でしょう。
浅野勝義/奈の町
2017年6月