田園風景にとけこむ新感覚の和の住まい
橿原市 T邸 2006年5月 完成
こんな家が欲しい
〇 全体(内部)に木を沢山使いたい
〇 年月が経ったとき味が出てくる外観が良い
〇 明るい家が良い。
〇 椅子やベッドの生活ではなく畳の生活がしたい。
〇 リビングシアターがほしい。
〇 ものを上手く収納したい
〇 和を感じながら新しい感覚の外観。
敷地の様子と設計のコンセプト
敷地は田んぼの真ん中にあり、どちらも見晴らしは良いのです。
そもそもこの土地を購入する話で進めてきましたが、不動産屋さんの手違い?か
どうかですが、道路の明示が取れない。
当時もそうですが、道路が4M未満で体側の幅員が確認できない場合は、道路の
対側側の敷地境界明示を取る必要がありました。
体側側にとっては確認する必要がない訳で、すればするで将来に道路後退を認める
事になる訳です。 この明示に時間が掛りました。
明示がすんでから建築が進み始めたのです。
道路幅員は2.5M程度だったと思います。
敷地側は60cmほどの水路がありましたので敷地に入るための水路占用も必要でしたね。
設計コンセプトは、テーマにもありますよう、田園風景にとけこむ新感覚の和の住まい
を目指します。
建物は木造在来工法、外断熱、屋根・外壁はガルバリウム鋼板貼り。
白木と組み合わせることで和を感じる建物を目指します。
また、
リビングから見える景色を愉しめる様に、ピクチャーウィンドゥから見える田園風景を
愉しめるよう設計を考えています。
まず、住まいを遠景です。
左手の道が接道になります。
よく見て頂くと、舗装されていないのが分かりますね。
また、道の右側に水路があるのも確認できます。(明示の手続きだけで1年伸びましたでしょうか)
田園の中にブラウン色の建物が見えますね。
敷地はとっても広かったと思います。
建物の前がかなり空いていますのでその広さが分かりますね。
南向きの道路から奥より見た建物の様子です。
中央部分に凹んだ部分と、木製のデッキが見えますね。
では、正面から見てみます。
正面はこんな感じで仕上がっています。
当時は外構のアプローチまで手を付けられなかったのでしょうか。
今ですとアプローチも植樹も入れるのですが・・・予算の関係だったのでしょうか。
玄関へ行きます。
玄関の丸窓、覚えています。
舟に使う丸窓なんですよ、あれ。
中へ入ります。
玄関のベンチですね。
ヒノキの1枚板です。
下駄箱と飾り棚・収納ですね。
ここで靴を脱いで上がります。
玄関框との段差は、当時30cmでした。
正面の収納、気になりましたら写真がありました。
傘入れになっていますね。
当時から床を伸ばして水滴が落ちても大丈夫なようになっています。
玄関からリビングへ入ると、目の前にドーンとリビングラックが目に入ります。
おー!
って言って頂く瞬間ですね。
テレビ(今は大型になっていると思われます)の向こうが真っ白になっていますね。
実はここ、ガラス張りになっています。
見てみます?
ずっと向こうまで田園が続いているでしょう。
この景色が見たくてこれをつくりました。
そうそう、出来たときの様子もあります。
何も設置していなかったときは、こんな感じ。
勿論ねステレオの機器や、スピーカー(6.1ch)など、すべて計算済みです。
天井にもスピーカーを埋め込んでいます。
この大型のリビングラックですが、リビングシアターと銘打っている以上、
スクリーンもあります。
上に収納されているのが分かりますでしょうか。(最初に写真ありましたね)
そうそう、ホームシアターを愉しむときは、上部の窓の扉を閉めて、
スクリーンを下します。
プロジェクターを使って上映開始です。
リピンクの横には、子供たちが自由に遊べる洋室があります。
おもちゃを出しっ放しもOKで、たまには客間になる事もあるのでしょう。
さて、
ここは、畳の部屋ですね。
でも、板の間も少しあるんですね。
畳の間のリビングに一部フローリング張り。
色々使い道があるのです。
リピンクの奥は、ダイニングキッチンになります。
正面中央の白い壁にダイニングテーブルを当てて使います。
テーブルを設置すると、キッチンのすぐ後ろですので、つくったものを
振り返って出すだけになります。
シンプルです。
キッチンからのシーンもご紹介します。
こうやって見ると、ダイニングスペースは広いでしょう。
そして、目の前に大きな掃き出し建具がある訳です。
とっても明るいダイニングキッチンです。
ここは外観からも分かる様に中庭のデッキになっています。
玄関から1直線(各扉はあります)に廊下が通り、ここ(一番奥)には和室を設けました。
掃き出しの建具は、中庭に向いています。
もう片面。
押し入れと和室の小さな空間です。
今ならさしずめ茶室でもつくりましょうか、なんて言うのかな。
他に1階には、便所、洗面、浴室があります。
お手洗いだけ。
当時工務店の社長さんが、面白い板を出してくれました。
たしか”榧(カヤ)の木”だったと思います。
これで手洗い鉢の台にさせて頂きました。
榧の木は将棋の盤に使われる材料で、不思議な香りがします。
また、耐久性・耐水性がとても良い材料で、船舶にも使われるものです。
とっても貴重で、あれ以来私も出逢っていないですね。
話がそれました。
ダイニングキッチンから2階へ行く階段がありました。
やっぱり2階への階段は玄関につくってはだめですよね。
ここはDKから2階へ上がります。
2階は子供室と洋室をつくりました。
二階の廊下です。
吹き抜けに面して手すり代わりに書棚を設けました。
子供たちの本を沢山しれて、ミニ図書館でもなると好いと思います。
一番奥がバルコニーになっています。
洗濯物干し場も兼ねています。
バルコニーに行く手前には、吹き抜けに繋がっているところがあります。
廊下から向かいの書棚へ橋渡しが掛けられています。
ちなみに上部のオープン棚のメンテ(出し入れ)はどうするのかと申しますと、
1階から梯子を付けていますので、これを設置して登ります。
この写真の橋にあたる手すり部分は、子供たちが上下で声を掛け合う
遊びのスペースです。
遊びに来られた子どもさん達は、ここで一気にハイになるそうです。
楽しそうに使って頂いてると伺いました。
浅野勝義/奈の町