奈の町の家【奈の町の家15の話】
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
Contents
【奈の町の家15の話】
奈の町が住まい手さんにご提供できる提案や約束、決めごと等をご紹介しています。
これらは、一つしかない住まいを建てる上で、奈の町が住まい手さんをサポートする為のとても大切なポイントだと考えています。15の話を是非読んで頂けると幸いです。
✔第1の話 ◆奈の町が「住宅設計専門」の訳。
私が一番興味があって大好きなのは 『人が暮らす住まい』。 住まいは住まい手の想いの集約であり、唯一安らぎを感じることのできる場所です。
私は家で暮らすことの愉しさと、元気の素をつくりだす住宅の設計が天職だと感じています。
住まい手さんが満足した笑顔を見ることが楽しみで、一般個人のみの住まいに特化するようになりました。
✔第2の話 ◆一般個人しか受注しないのは?
私は業者さん(建築施工会社・住宅販売会社・不動産業者に関わらず)からの受注はお断りしています。 その理由は簡単です。 業者さんから仕事の受注をした時点で、私とその業者とは元請け下請けの関係が発生します。一度上下関係・元請下請けの関係ができてしまえば、もう住い手さんの為に100%の仕事はできません。
とは言え実際の所、一般個人の住まい手さんだけの受注で会社を運営する事は大変厳しいことです。 しかし奈の町の基本は、住まい手側に立つ専門家である以上、この信念は曲げられませんし、そこがとても重要なのです。
✔第3の話◆住まいの家具は出来るだけ設計で製作します。
新しい住まいを計画する際、現在お持ちの家具は設計を始める前にお聞きし、それらが納まるべき場所を設計するわけですが、奈の町では数多くの家具を設計で製作します。
食器収納や吊棚はもちろん、キッチンも作ります。 また、大きいものは洗面所や収納、TV ボードに下駄箱、当然ダイニングテーブルも。 小さいものはポストやタオル掛け、玄関ベンチに引き出し収納、姿見鏡、それにオリジナルの手摺などなど。どこにも販売していないオリジナルの木製家具を普通に設計しています。
一度そういう視線で奈の町の家を見学してください。
小さな小物までオリジナルでできていることに気づいて頂けることでしょう。
✔第4の話 ◆設計の進め方は、『設計ステップノート』を使います。
奈の町の「設計ステップノート」は、「住い手」が住まいの設計をステップに沿って、一つずつ理解しながら家づくりが進められるように、そしてステップごとに楽しめるように作りました。 各ステップには、毎回ごとにイベントを設け、住い手が事前に必要な情報を予習することも、想った事や感じた事を書き込むことも出来るようになっています。 次回の打合せが楽しみ・・・そんな設計のノートになっています。
✔第5の話 ◆実際に見て、触って、感じられるように 3Dレンダリングやクラフト模型を作ります。
建物の形状は言葉でいくら説明されても分かりにくいもの。「百聞は一見にしかず」と言います。実際にパソコンのディスプレイ上で見る3Dで作られた建物の様子やクラフト模型は、口で説明する言葉の何十倍も理解できるものです。 奈の町が3Dや模型を作成する目的は、設計途中で実際のスケール感を知り、空間を理解していただく為のツールです。 クラフト模型は完成模型ではないので設計完了時はそれより更に使いよく、良い住まいになっています。
※ 製作したクラフト模型は設計が終了しましたら住まい手さんにプレゼントさせていただきます
✔第6の話 ◆木造の構造にはこだわりがあります。
現法の建築基準法では木造二階建てまでの建物には構造計算(許容応力度計算)の義務はありません。 しかし安全を考えれば、行なうべきと決めています。
現に奈の町が設計する構造建物と、計算を行わない一般の建物とは見ただけで歴然とした違いがあります。 この違いの意味を本当に知る時は大地震の時しかありませんが・・・奈の町では「一番安全な住まい」が、我が家であることが設計の基本です。
※1 新築工事はすべて構造計算(許容応力度計算)を標準としています。
許容応力度計算とは地震時に柱や梁がどの様に変形するかを計算し、その応力に対応する部材・金物を算定する計算方法です。
※2リノベーション・リフォーム設計は、精密耐震診断を行うとともに、耐震補強計画書を作成して【評価1.0】以上を目標に目指します。
✔第7の話 ◆構造材は全て奈良の吉野材を使っています。
日本三大美林の1つとして数えられる吉野材は、強さと美しさを兼ね備える良材で有名です。
その良材がこの地元奈良で生産されている訳ですが、奈良で家を建てるのであれば同じ気候で育った奈良の木材を使う事は家にとって一番良い事です。 今では吉野材で家を建てることがあちこちの施行会社で使われるようになりました。
これはとっても嬉しい事だと感じています。
奈の町では、2008年の完成物件からずっと今日まで吉野材を構造材に使い続けています。
また、奈の町の構造材の使用部位は、柱・土台大引・筋交い・間柱・垂木は全てヒノキ、梁・小屋束・母屋に杉を使い分けています。
✔第8の話 ◆設計図は住い手の想いに比例します。
「住宅」は住い手の想いの塊です。 奈の町に来られる住い手の想いは皆さん同じです。 その想いを図面に表すのに僅かな設計図書で表すことなど到底出来るはずはありません。
奈の町の作成する設計図は、年々図面の枚数も増えて実施設計用の図面でA3用紙100枚以上になります。意匠だけでなく構造、設備、外構に関する内容はを建築業者さんへ伝えたい事は数多くあります。
✔第9の話 ◆設計中の予算確認と見積書分析、価格交渉。
設計をはじめようとする前はどうしても広さを求める要望が多いですね。「自分達はコンパクトな家が良い。」そう言われる方は稀なくらい。いつの間にか部屋が多くなったり広くなったりすると、予算がいくらあっても足りなくなってしまいます。 奈の町では現在まで数多くの工事契約金額のデータを分析していることで、設計中のその時点での概算を提出することで、立ち止まり、冷静に判断できるようにしています。 見積もり後に大幅な予算オーバーになった後からの減額はなかなか辛いですよね。 また、建築業者からの提出された見積書を、各工事と項目毎に整理して分析を行います。 その提示価格を見て価格がどうであるかを査定し、またその価格が適正価格を算定し、住い手の選んだ業者と私が価格交渉を行います。 要望を取り入れつつ減額してまとめる事は実はなかなか難しいもので、なんでも減らせば良いというものではありません。 当初の目的と要望を一番知っているのは私なのですから。
✔第10の話 ◆相見積書の受取りは、三者(住い手・当社・見積業者)が同席して行います。
設計図が綿密に描き込まれるほど、見積り書の内容は細部に渡り細かくなります。 設計の私は出来るだけ無駄なく費用を掛けない様に材料の割り付け迄図面を作成するのですが、細かく書くほど価格が上がるのも不思議ですね。 確かにそれらを拾い出す見積業者の手間は大変な労働力になります。 一般に施工業者さんの見積書作成費用は、約30万円程の手間代になると言われていますので、奈の町では、この努力に対して受取日に自社の強みをPRして頂く時間を設けました。
住い手にとってもはじめて会う建築業者の感触や社風を知る良い機会だとも思います。 住まいを一緒につくり面倒を見ていただく工務店さんとの出会いとして、これもまた楽しんで下さい。
ちなみに相見積もりして契約できなかった業者さんへのお断りは当方がさせて頂きますが、菓子などのお礼は建築主からお願い致します。
✔第11の話 ◆工事期間中の請求書は、すべて奈の町を通ります。
工事代金の支払いで一番のトラブル。 ―それは、追加工事費においてが一番多いです。
「当然追加だと理解していた」や、「お願いした内容が追加工事としてお願いしたつもりはない」 なんて発注者と受注者の取り方は違うもの。
奈の町では、追加であると判断した(設計図に記載されていない)場合は、必ずその見積りを頂き建築主に確認してから発注します。 また、施行会社からの請求書は全て当社を経由して住い手に届きます。 約束した支払い時の工程まで仕事が進んでいない場合だと請求書の書類は当社で留まりますし、問題なければこれを住まい手さんに経由します。
ですから、当社の経由印の無いものを受け取ったとしても住い手は支払う必要はありません。 不明瞭な支払いや支払い過剰を、当社が間に入ることで住い手との防波堤となっています。
✔第12の話 ◆現場監理は週1回が基本です。
現場監理は設計者にとっても住まい手さんにとっても大切な業務です。 現場の進行状況が設計図通り出来ているかを確認する必要があるからです。
奈の町の監理は一週間に一度のペースで現場に伺います。 基礎周りで多少回数が頻繁になりますが、工期が6ヵ月として25回程度が監理の平均回数でしょうか。工事期間中は建具の確認を発注前に事務所で確認しますし、建築業者さんと細部の確認も事務所で頻繁に行われます。現場では様々な問題が発生しますからそれらの解決もあります。
特に私が現場監理で大切にしていることは、住まい手の想いの意図を施工者に伝えること。
「住まい手さんはこれを実現したい為に家づくりをした」と思い伝える事が大切で、何でもかんでも設計図通りに造る事が最重要であると思いこむと、設計者の考えが住まい手の想いと違っていた場合、住まい手さんの想いと異なる建物になってしまう可能性もあるのです。
これを伝えると施工者側からもより良い意見や収まりが出ることもあるのです。
✔第13の話 ◆完成後に作成する、現場監理報告書。
設計に関わった書類一式として現場写真(着工から完成までの現場監理時に記録)、そして施工業者から電気設備竣工図、給排水設備竣工図を提出していただきこれを保存しています。
完成後これをお渡しさせていただくもので、特に設備関係竣工図は施工して頂いた業者に書き込みして提出を求めるものですが、実際に配線・配管されていた場所等が書かれたものなので、今後の改装時やメンテナンスの際に役立てて下さい。
✔第14の話 ◆住い手さんに現場への参加をお薦めしています。
私が現場へ監理に行く際、住まい手さんへ御一緒に現場への参加をお誘いする事があります。
監理の曜日にも依りますが時間が合うようでしたらご一緒して我が家がどの様に創られてゆくかを自身で見て下さい。
職人さんの手作りの様子を見て頂ければ、既製品でつくられた家とは全く違う自分達だけの暮らしに合わせた家であることを知って頂けるはずです。
✔第15の話◆家づくりの相談、物件チェック、住宅診断、仲介、家づくりの全てが奈の町で出来ます。
奈の町へ御相談いただける住まい手さんの半数以上は、物件購入からの家づくりです。
「奈の町の家が好きなので、土地購入からの家づくりの相談から乗って欲しい。」
「奈の町の家が好きなので、物件探しから一緒に相談に乗って欲しい。」
そういった御相談です。
また、中古住宅購入の機会にリノベーションしたいといったご依頼もあります。
物件探しを始める前にご相談頂ければ、ご相談者の暮らし方を聞かせて頂くことでどの様な住まいが合うのか、また、頭金等を含めて予算組をアドバイスする事ができます。物件費用にいくら、建築(新築・リノベ共)費用がいくら、その他の費用はいくら、設計予算があるかないかまで考えておけば、これから探す目安を絞る事ができます。
これをせずに物件探しから始められたご相談がありました。以前ですがこんな話の流れです。
土地を購入後に奈の町へ来られ、「奈の町で家を建てたいと考えています。 先に土地を買ったのでここに建ててほしい。いい土地だったので少し高くなってしまいましたので、○○○○万しか残ってないのですがそれで家を建てていただけますか」 と。
とても残念なのですが、その予算では奈の町で設計して家を建てることは出来ませんと、お答えさせて頂きました。
このご相談者は、予算組をする前に物件探しから始められました。
不動産業者に相談すれば思っていた予算より高額な物件を紹介されますし、相談者からしても高額な物件は広さも見栄えも良いのは当前です。少しぐらいならどこかを切り詰めればいけるんじゃない?
そう思って買われたのも当然でしょう。
しかし現在、建築費はこの近年急激に値上げが進んでいます。
以前でも予算が厳しかったのですが、現在は更に厳しい状況となっています。
必ず予算を決めてから物件探しを行わないと建築ができないという状況もありえるとお伝えいたします。
もし貴方が奈の町で家づくりをお考えでしたら、是非物件探しをされる前に相談に来て頂くことをお勧めします。
ご一緒に予算組をしてから物件探しを致しましょう。
奈の町では、コンサルティング、予算組み、物件のチェック、中古住宅であれば住宅診断、物件の不動産仲介、そして住宅設計の浅野が家づくり全ての相談(相続・税金・登記等)をワンストップでお応え致します。
2023.1.16
古民家リフォームについて
一般に、古民家とは60~70年以上前に建てられたもので、建物の構造は木造ですが、基本的に異なるのはその工法です。
現在の在来工法とは異なり、伝統的軸組工法という構造です。
材料も比較的大きな材料が使われていて、メンテナンスさえしっかりしていれば200年以上持っている家もあります。
実際、奈の町でも築250年の古民家をリフォームさせていただきましたが、構造は意外にしっかりしていました。
しかし、なにぶん長い時間が経過していますので、建物のひずみや柱の傾斜や沈下、木材の腐り、白アリ被害等は彼方此方にありました。
こういった古民家を、本格的に創建時の形へ修繕改修し、さらに耐震補強をするならば、膨大な費用が掛かることを皆さんあまりご存じないのではないでしょうか。
古民家を本格的に改修すると、新しい家が建つくらい掛かります。
古民家を購入してから改修を考えておられる方は、この費用を考慮せずに購入すると、買ったとたんに資金ショートということになりかねません。
既に古民家をお持ちの方も、高額のな修繕等はできませんよね。
例えば建物の補強は、どの程度の工事になるでしょう。
基礎について見てみます。
古民家は束石の上に乗っているものですから、いわゆるコンクリート製などの基礎を持ちません。 基礎を新たに設置するには、本体を空中に浮かせ(揚げ家工事)、下部に基礎を作ります。 また、古い建物は、建物の自重や地盤の状態で各柱ごとにバラバラに沈下が起こっています。
これを地面から安定させるためには、建物の下にある地盤そのものを補強する必要があります。
それこそ、全体をばらして地盤から手を入れることになります。
現実には、そんなことまで出来ませんよね。
さて、限られた予算を、いかに有効に使うか。
古民家改修の極意は、どこまでを改修できるのかということを住まい手自身が理解した上で、納得できるラインを決めること。
これに尽きます。 全部せずにどこまでで改修の線を引くか、ということですね。
始めに建物を調査する事から始まります。 傷んでいるところ、補修の必要なところを具体的にリストアップして、その補修費を算出します。
さらに、そのリストの各項目を、「絶対修繕の必要なもの」から「修繕は次回改修時に延期」まで、必要度合いによって数段階に分けます。 その上で、優先順位の高いものから順に補修費用の予算枠を採ってゆくのです。
予算の上限はご自身でご存じですよね。 合計してゆくうちに予算が尽きた所が、今回の補修範囲となります。
この方式なら、改修費用が500万だとしても、1000万、1500万、2000万としても納得してラインを引くことができるはず。
そのために絶対必要なのが、各工事の項目ごとの概算なのです。 それがリスト化できれば、自分達の方向性がぶれることなく、目的が達成できるという訳です。
ここで、忘れてはいけないことが3つあります。
1つは、予算の都合で出来なかった工事は次期に回しても必ず行うこと。これを事前に理解しておきましょう。
建物は古いので、必要な工事は後日必ず行うことをお勧めします。
2つめは、工事内容のリストに、楽しみのための費用を含めておくことです。
補修リストの他に必要なリスト。暮らし易い、またはこだわりを実現するための工事リストです。これを忘れてはいけません。
この別費用が、暮らしの潤いだったり、こだわりだったり、楽しみだったりするわけです。 補修リストの内容とあわせて、優先順位をつけましょう。
項目の中に入れておけば、予算不足を起こすことなく改修範囲を決めることができます。
3つめ、改修工事について忘れてはいけないことがあります。 それは追加工事について。
新築工事と異なり、改修・補修工事では、工事を進めるうちに補修を行うことで効果の大きく見込める部分や、雨漏り、白アリ等で必ず修繕を行う必要のある部分が出てきます。 そのような工事に備えるため、工事費の5~10%程度を見込んでおく必要があることを心に留めてください。 現場で発生した必要修繕工事は、費用対効果が高いものです。 このまま目をつぶって蓋をする選択肢はありますが、やはり後に回す方が割高な結果になりますから修繕しておくことをお勧めします。
LINK